ミクロマン

まだ池上に住んでいた幼稚園時代(1975年頃)、一番好きだったオモチャがタカラの「ミクロマン」だった。
ミクロマンと聞いて即どんなオモチャか思い出せる人は年齢層が限られているのではなかろうか。当時流行していたオモチャといえば、仮面ライダー関連や、「マジンガーZ」に代表されるスーパーロボットものの超合金のオモチャや、トミカプラレールも流行っていたし、そんな中「ミクロマン」はマイナーな部類のオモチャだったと思う。
そもそも玩具メーカーは子供向けのテレビ番組、戦隊モノや仮面ライダーシリーズ、スーパーロボット系アニメ等とのタイアップで超合金玩具等を開発し(機動戦士ガンダムも、ガンプラが登場する前は超合金製のガンダムを主力商品としていた)、テレビ番組からそのキャラクター玩具へ子供達を誘導するルートが確立していた。この永久搾取機関は現在も隆盛で、我が家も結構「仮面ライダーW」や「侍戦隊シンケンジャー」のオモチャをさんざん買わされたのだが・・・これは余談。
ミクロマン」とはどんなモノなのか説明すると、身長10センチ位のサイボーグみたいなフィギュアというか人形というか、体の材質は硬いプラスチック製。関節は金属製で一応手足は曲がるようになっており、頭部は銀一色。彩色は施されていないのでブロンズ像のような無表情で、これが却ってサイボーグっぽい雰囲気を醸し出している。
ただしミクロマンがサイボーグなのか何者なのかキャラ設定がよく分からない。
ミクロマン」はそもそもテレビ番組に登場するキャラクターではなくて、「リカちゃん」のように『キャラクター設定・世界観を持たされたオモチャ』である。だが当時幼稚園児だった自分にはそんな世界観を知る由も無く、ただ、「ミクロマン」に続いて「アクロイヤー」シリーズが登場した時は、「コイツはミクロマンの敵キャラだな」ということくらいは理解できた。
子供の頃は喘息持ちでしょっちゅう病院に行っていたが、診察の待ち時間にミクロマンは必須アイテムだった。しかもミクロマンは、生命維持カプセルみたいなカッコいい専用ケースに入った状態で売られていたので携行性が高く、病院に限らず外出時にはよく持ち歩いていた。

当時ミクロマンを買ってもらっていたおもちゃ屋さんは池上駅近くの「オーツカ」という店で、なんと今でもあの頃(30数年前)のままの姿で、建て替えもリニューアルもせずに営業している。いつか「モヤモヤさまぁ〜ず」で取り上げて欲しい店ですね。
自分的にミクロマンで最も印象的な部分は「顔」である。先に書いたが銀一色なので表情は分からないが顔立ちは完全に西洋人風で、しかも昔のポッカ缶コーヒーのイラストみたいな、もしくはジャック・ニクラウスみたいな顔つきで、あの頃は「ジャック・ニクラウス顔」が、もてはやされていたのだろうか。