柳沢慎吾は偉大だ。

今日「八重の桜」の再放送を観て、終わりの予告編で、萱野権兵衛柳沢慎吾)の切腹シーン、正確には切腹直前の「最後の一言」的な場面があって・・・そう、柳沢慎吾で最後の一言、決めゼリフと言えば「アバヨ!」が鉄板ネタとして有名な訳で、でもまあ、そこはNHK大河ドラマだから会津藩家老がドヤ顔で「アバヨ!いい夢見ろよ!」とはならず、「さらばじゃ。」と、無難なセリフでしたね。
でもやはりスタッフは確信犯なんじゃないかと思わせるような、いかにも柳沢慎吾が「アバヨ!」と言いそうなカット割りを挿入した予告編だったと感じたのは勘繰り過ぎだろうか。
柳沢慎吾の去り際の決めコメント「アバヨ!」は、かれこれ20年位昔だったか、「ねるとん紅鯨団」という、素人お見合い番組があって、この番組を語ると長くなるので触れないが、要は「ねるとん紅鯨団・芸能人大会」という特番で、意中の女性タレントに振られた柳沢慎吾が「アバヨ!いい夢見ろよ!」というカッコイイ捨てゼリフを残して振り返りもせず颯爽と去って行ったという、「ねるとん」史上有数の神シーンとして歴史に残っているんです。なにせ自分はこのシーンをリアルタイムで観ていたので、「八重の桜」で萱野権兵衛、最後に「アバヨ!」言ってくんねえかなあと、ちょっと期待していたんだけどねー。
それにしても柳沢慎吾という人は、どういうポジションなんだろうか?「警視庁潜入24時」を、タバコの包装フィルムを使って「パトカーの無線連絡の音声」をリアルに表現したりして完璧に再現とか、高校野球マニアが高じて「甲子園での名試合を、開始のサイレン音から試合終了まで忠実に再現」とか(このネタはCD化もされている)、ものすごく高度な芸で笑いを取るという、もしかすると中川家礼二の芸風の先駆者なのでは?という位革新的な手法なんです。柳沢慎吾はお笑い芸人なのか?しかしこれが違っていて、バラエティ番組にはあまり出演しないし、ましてやお笑いネタ番組に出演しているのを見たことが無いので、芸人ではないと思う。
記憶をたどると、確か1981年ごろだったと思うが映画「ねらわれた学園」のTVドラマ版というのがあって、映画では薬師丸ひろ子主演のところをTV版では原田知世が主演で、ストーリー自体も映画版に忠実ではなくややアレンジが為されていた。(映画「さらば宇宙戦艦ヤマト」とTV版の「宇宙戦艦ヤマト2」の違いみたいな・・・例えが分りづらい?)
で、このTV版「ねらわれた学園」に柳沢慎吾が主要キャストの一人として出演していて、まあ3枚目キャラなのは想定内なのだが結構演技がイイんですよ。当時ガキだった自分にも強烈な印象が残っている。そして翌年の「ふぞろいの林檎たち」でしょ。だから柳沢慎吾は俳優それも演技派の俳優として認知すべき存在なんです。お笑い方面で凄い才能を秘めながらも本職はアクター、偉大です。