フレンチ・コネクション

nisi6hiroyuki2007-08-17

今日は、半年ぶりくらいに、会社の有志で活動している映画鑑賞の会を決行した。「映画鑑賞の会」というとなんかインテリぶった感じだが、実態は真逆であり、その概要は

※夜、社員食堂にDVDプレイヤー等の機材および酒肴を持ち込み、

※映画のジャンルは特定しないが、上映作品の傾向としては「ジャッキー・チェン関連(初期の拳モノ。石丸博也による吹き替え版が前提条件)」「スティーブン・セガール関連」「ロッキー4」「スター・ウォーズ旧3部作」「カタクリ家族(三池崇史監督)」「恋の門松尾スズキ監督)」「大脱走」等、精神年齢低め(男子中高生程度)の設定のものが多い。

※「大脱走」上映時には、未見のメンバーのために、大脱走フリークの他メンバーが横合いから副音声解説を入れることにより、解釈の齟齬を無くす療法を行った。

※上映作品の選定基準は、各メンバーそれぞれの自薦作品を、居酒屋等の場において熱く語り倒し、他メンバーの大体の同意のもとに決定される。

といった具合。
今回はなぜか「フレンチ・コネクション」(71年・米、監督:ウィリアム・フリードキン、主演:ジーン・ハックマンロイ・シャイダーフランシス・レイ)という、アメリカン・ニューシネマ期の傑作に決まった訳だが、なんでこんなかなり真面目な作品を上映したのかが不明だった。が、自分的には非常に好きな映画なので満足ではあった。
自分は大学生時代はちょうどバブル末期と時期的には合致するのだが、生活態度としてはバブルとあまり関係なく基本は映画漬けで、しかも正当な劇場派ではなく、常時レンタル屋を3軒程度巡回し、日中は12CHの、いわゆる「1時間25分枠」という、長尺映画にとっては大変危険な昼の映画枠はこまめにチェックしていた。
「フレンチ・コネクション」は当時この枠および木曜夜9時のやはり東京12CHの枠でヘビロでかかっていた作品で、今回改めて完全版のDVDで見直すと全然別モンであったことが判明した。
まず、自分の記憶にある12チャンバージョンでは、冒頭がジーン・ハックマンがサンタクロースに変装して相棒のロイ・シャイダーと黒人のヤクの売人を追っかけるシーンなのだが、DVDではこれが3シークエンス目位に来ていて、最初はマルセイユから始まっていたのである。12チャン仕様は、サンタの次がマルセイユで、ヒゲのシャルニエとフランスのテレビ俳優の密談シーンが来ていたが、DVDではこの順序も全然違い(違い、ではなくこっちが正しいのだが)、フランスのハゲの殺し屋がいきなり誰かを射殺するシーンが映画の冒頭(12チャンは完全にカット)なのだ。シャルニエと役者の密談はやはり3シークエンス位後だった。
DVDは当時のオリジナル吹き替え版を観たのだが、テレビ版でカットされているシーンは吹き替えがアテられていないため、そこだけ字幕に切り替わる訳だが、その切り替えの多いこと!いかにテレビは尺を縮めているかが良く判った。
が、当時の12チャン仕様の映画は、あまりにも自己勝手のカットおよび再編集過多っぷりに、かえって独特のテンポ感というかグルーブ感が発生し、非常に心地良く楽しめたものである。