麻布シネマ閉店!(とっくに)

nisi6hiroyuki2007-09-07

あまりにローカルな話題すぎて、なんのこっちゃという事です。
ここんとこ残業が激しく、電車無くなったあとも仕事が終わらぬ日が続いており、その場合会社の車で帰宅するのだが、ルートは都心の職場から日比谷通りを下り、三田の慶大前を右折して後は延々と国道1号を下っていくというコースなのだが、途中実家暮らしだったころ巡回リストに入っていたレンタルビデオ屋(「フレンチ・コネクション」の回で軽く触れたが)の1軒「麻布シネマ池上店」の前をカーラジオで「オールナイトニッポン」なぞを、まさかこの齢になって聴くハメになるとは思わなかったが結構楽しく聴きながら通過するのを常としているのだが、いつの間にかこの「麻布シネマ池上店」が潰れていたのであった。
この店、レンタルビデオ屋としてはかなり古く、開店して20年以上は経っていたであろう。そもそも「レンタルビデオ店」という業態が出来る前は、映画のビデオを(当時は映画のビデオって買おうとすると1万数千円もしたんだよね)手軽に鑑賞する方法としては、まずビデオデッキ本体を地元の顔なじみの電器店で購入し(当然、設置もその店のオジサンにやってもらう)、そうなると次にその店に行った時、オジサンに「ちょっと。」と売り場の奥へ通され、そこには壁1面を占めるラックに映画のビデオが満載され、好きなものをタダで借りられるという「お得意様待遇」のシステムが存在していたのだ。これってウチの地元だけの現象かと思っていたのだが、何かのコラムで同じような経験をした人の話があったので意外に当時一般的な現象だったのかなあ。
余談が過ぎました。昔、十数年前「麻布シネマ池上店」に通っていた頃ここで最も自分に影響を与えたビデオは「モンティ・パイソン」と「人形劇・三国志」なのであった。ここでは特に「人形劇・三国志」を取り上げる。ボンクラな学生時代を送っていた自分はNHKで平日の昼間にやっていた「人形劇・三国志」の再放送に見事ハマってしまい、最終話まで見倒したあとも熱が冷めず、地元の各レンタル屋で唯一「麻布シネマ」にコイツのビデオが全巻揃っていたので毎日日替わりのハイペースで借りました。世間では「ツインピークス」ブームでそちらのビデオはほぼ貸し出し中だったが三国志借りてんのはほぼオレだけ状態だったです。とにかく「人形劇・三国志」は巷に無数に存在する映像化、書籍化された「三国志モノ」の中で最高傑作であると独断したい。川本喜八郎による人形の造形美やそれぞれの役柄に見事合致した声優陣などの話は多くの場で語られているが、自分の経験で述べると、去年北方謙三による小説版三国志を読了したが、読んでて脳裏に浮かぶ曹操関羽張飛などのビジュアルはあの人形なのである。特に諸葛孔明はイイ!そして声は森本レオがアテており、劉備に向かい「殿。」と静かに語りかける瞬間など、今思い出しても涙が出そうですわ。もち写真はその「人形劇・三国志」の諸葛孔明です。