HERO英雄

nisi6hiroyuki2007-09-15

スクール・ウォーズの主題歌の話じゃないです。映画です。
前回三国志に触れたので中国繋がりでという趣向で、今回は映画ネタ。
「HERO英雄」は公開前からとても気になっていた。TVCMの予告編でジェット・リーに向かって1万本位の矢が上空から飛んで来るというありえない場面に打ちのめされたのだった。当時はもう家庭の事情(嫁は絶対この手の映画を見ない)で劇場鑑賞の可能性0%だったので、ひたすら地上波初放映の機会を待っていたのである(BSも見れないので)。で、2年前くらいだったろうか「日曜洋画劇場」でオンエアされました。この時は嫁以外に子供という、チャンネル権継承順位2位の者がいたため非常に不安だったのだが、幸い皆早く寝てしまい、じっくりと見させていただきました。
感想、うーん最高!ストーリーは古代中国(秦帝国成立直前)『無名』(ジェット・リー)という武芸の達人が秦王暗殺を画策する3人の刺客を倒し、秦王に拝謁してその報告をするが実は・・・。という話で、自分的にキタ場面は秦王のバカでかい宮殿の謁見の間(広さは中学校の体育館4つ分はありそう)で、最初「王から百歩の距離で話すことを許す!」という家臣の宣言にシビレました。だって日本だったら殿様から百歩の距離つったら座敷をはみだして庭とかになっちゃうでしょう。中国人のスケール感はケタが違う。ヨーロッパの王朝だって「百歩」とかそういう感覚無いでしょう。でもってさらにキタのが、件の報告がディープな域に達して、秦王のテンションも上がってきた時ついに「王から十歩の距離で話すことを許す!」となったんです。その前に20歩とかワンテンポ踏んでたような気もするが、この「十歩」となった時、実は自分が秦王暗殺を企てていたというジェット・リーの本心が現れ、秦王との直接対決となるのだ。直接対決とさらっと述べたけど冷静に考えると一国の王様がタイマン勝負を張るってまず考えられない。しかも相手はジェット・リーだし。でもこの秦王はジェット・リーと互角の戦いをするんです。強い!見た目も世界史の教科書に登場する始皇帝肖像画(胴回りたっぷりの貫禄十分な重役ヅラのオッサン)とは全く違い、たぶん体脂肪率1桁台で、ヒゲの生やしかたも今風なイイ男なんですな、この役者さんの名前知りませんけど。とにかく秦王最強!と訴えたくなるほど強かった。
あとこの映画に関するコメントとしては『チャン・ツィイー意外と脇役扱いで残念』『ジェット・リーVSドニー・イェンのバトルもっと見たかった』『トニー・レオンの役どころはいかがなものか』等ありますが細かくは省略。前述の膨大な矢のシーンやトニー・レオンの書道教室を攻撃する秦軍の規模(兵数のみならず各種兵器)など、中国人のスケール感は我々日本人の想像を遥かに凌駕しており、この間話題になったパクリ遊園地とか食の安全問題とか中国国産車はパクリだらけとかいった話題はもしかすると彼らにとっては些細な、顔に蚊が止まったくらいの感覚なのかなあと考えてしまうのだった(国際常識上は甚だ問題なのだが)。