クイズダービー

もう一ヶ月も前になるだろうか。神保町の古書店街のとある店先で、二束三文に積み上げられた古雑誌の表紙が妙に気になった。
恐らく30年近く昔の雑誌で、誌名はよくわからない、というよりも表紙を飾っている人物に強く興味をそそられたので誌名は頭に入らなかったのだ。が、間違いなく現在は廃刊になっている雑誌であろう。その興味をそそられた表紙の人物とは、『はらたいら』です。
何故強い関心を持ったかというのは、表紙のはらたいらは相当カッコつけていて、タキシード姿のバストアップショットで頬杖をついたポーズがドーンとその雑誌の表紙を独占しており、例えて言うと1978年頃の「月刊ロードショー」の表紙を飾るジェームズ・ボンドロジャー・ムーア)のような二枚目ぶりで写っているのが異様だったからだ。
但し、いくら二束三文とはいえ、その古雑誌を買う気にはなれず、ただ自分の記憶にある「はらたいら」を思い出す作業をしつつその場を去ったのだった。
はらたいらといえば「クイズダービー」です。この人本業は漫画家なんですよね。でもクイズダービーの解答者の印象しか無い。漫画には非常に疎いのでもしかすると何か有名な代表作があるのかもしれないが自分の中では、はらたいらは「職業:クイズダービー」と決定。恐らく収入の95%以上をクイズダービーのギャラが占めていたのではないか(勝手な推測)。ふと思ったけど同種のタレントに山本晋也監督がいます。監督してんの?本業は「トゥナイト2」の風俗レポートでしょう(ちと古い)。
自分が子供の頃は、今考えるとクイズ番組全盛時代だったのか。思い出すだけでも「クイズタイムショック」「なるほどザワールド」「世界まるごとHOWマッチ」「クイズグランプリ」「霊感ヤマ感第六感」「アップダウンクイズ」「クイズヒントでピント」「三枝の国盗りゲーム」「ぴったしカンカン」「100万円クイズハンター」「パネルクイズアタック25」「クイズ・ドレミファドン!」etc数え上げればキリがない。これに加えて年1回のイベント番組として「アメリカ横断ウルトラクイズ」やら「全国高校生クイズ」(というタイトルでよかったっけ?)やら「たけしのお笑いウルトラクイズ」(これは違うか)も見ていたんだから。でもそれだけクイズ番組を見ていても現在役に立っている知識があるかというと皆無なのは我ながら情けない。
「職業=クイズダービー」の「はらたいら」に話を戻すと、皆さんご存知とは思うが正解率が非常に高く、一時期「はらたいらは事前に解答を教えてもらっているのではないのか?」という疑惑があった程だ。正解率の高さは「世界ふしぎ発見」の黒柳徹子もしくは「ヒントでピント」の浅井慎平と互角ではなかろうか。クイズダービーで、はらたいらの次に正解率の高かったのが竹下景子。「三択の女王」の異名を取っており、三択問題では、はらたいらよりオッズが低かった(はらたいらは三択問題を割と苦手としていた気がする)。一番ひどかったのはやっぱ「篠沢教授」でしょ。パネラー中最もインテリな職業なのにその解答はトンチンカンなものばかり。でも篠沢教授がいよいよ番組を降板するという回はリアルタイムで見ていたけど、とても寂しい気分になったものです。その後の「教授枠」の席(向かって左から2番目だったっけ?)には北野大教授(ビートたけしの兄)が就任。同様に正解率は低めだったが篠沢教授よりはやや常識人だったような気がする。向かって一番左は長年、女優の長山藍子が座っていたが、この人は「元祖おバカキャラ」か?現在のスザンヌの遠い祖先に当たるポジションですな。向かって一番右の席は「ゲスト枠」で、自分の記憶に自信が無いが確か黒鉄ヒロシが準レギュラー的な頻度で登場し(この人も本業漫画家ですよね)、ゲストであるにも関わらず常に高正解率で、はらたいらと良きライバル関係といった雰囲気を出していた。「強力なゲスト解答者」といえば「世界まるごとHOWマッチ」における片岡鶴太郎も凄かったね。エース解答者石坂浩二ですら生涯2度(だったっけ?)しか獲っていないホールインワン賞を、確か1度の出演で連発で出していたんじゃなかったかしら。この辺り正確な記憶は無いが正に「記録より記憶の残る」人物でした。とまあ昔のクイズ番組バナシは尽きないが、この辺で・・・。
追記:「クイズダービー」は、ロート製薬の1社提供番組で、オープニングのロート製薬本社の映像が、子供心に「なんか理由はわからないけど、とにかくあの場所に行きてえ!」と渇望したもんです。有名なテーマ曲「♪ローオト、ロオト、ローオト」のコーラスと共にあの映像は現在「SMAP×SMAP」で見ることが出来ます。