宇宙戦艦ヤマト(その2)

話を「さらば宇宙戦艦ヤマト・愛の戦士たち」に戻す。この映画、昔は夏休み、正月などの時期に頻繁にTV放送されていたためかなり内容は憶えている。SF的な考証や、極端な日本主義(というか旧日本海軍主義)等に目をつぶれば、かなりの名作ではなかろうか。
本作での敵は白色彗星という仮の姿で宇宙空間を荒らしまわる迷惑千万な「ガトランティス帝国」。前作のガミラス人が青い肌であったのに対してガトランティス人の肌は緑色です。相変わらず我々ガキどもが敵味方混乱しないよう地球人と区別しやすい配慮をしていただいてます。
ここの支配者ズウォーダー大帝という人、それなりの貫禄のある風貌をしているが、変なのは髪形。完全な白髪なのは別にいいのだが、不自然なことに額の中央部に幅5センチくらい髪の毛が生えていて、これが眉間にまで達して何と眉毛と合体しているという、女子高生の腕から毛の束が生えちゃってるプロピアのCM並みに衝撃的なヘアースタイルをしている。
白色彗星の正体はスターウォーズで例えると首都惑星コルサントとデス・スターを足して2で割ったような人工惑星で、簡単にあらすじを説明すると、波動砲搭載艦を何十隻も揃えた地球防衛軍艦隊が白色彗星に対して何の役にも立たずに全滅し、あとはヤマトただ1隻でこの白色彗星帝国に立ち向かうというのがクライマックス部分のストーリーで、順を追うと

  • 地球衝突寸前に白色彗星の動きを止める。ヤッター、地球は助かった!と思いきや→「都市要塞惑星」が出現(がっくし。)→古代進自らコスモタイガー隊を率いて要塞内部に侵入。真田さんや斉藤始や加藤三郎などの犠牲を払って内部爆破に成功。よし!戦いは終わった!と思いきや→都市の内部から全長10Kmはありそうな「超巨大戦艦」が出現。既に乗組員の大半が戦死、全兵装も破壊されて無抵抗なヤマトに容赦ない砲撃を浴びせる。

例えて言うなら「徹夜で仕事をして、朝になっても今度は通常の始業時間がはじまって休む間もなくブッ通しで仕事を続ける」エンドレス状態というべきか。完全に戦闘能力を喪失したヤマトはなすすべが無く古代は生き残った乗員を脱出させて森雪の亡骸とともに艦に残り、最後の手段とばかりにヤマトを超巨大戦艦に特攻させるというのがこの映画の結末。しかしヤマトの百倍はあろうかという超巨大戦艦に特攻しても全然効かないハズ。でも別の要素があるので問題なし。それはテレザート星のテレサという女性が一緒に特攻したから。
このテレサという人、いまだに意味ワカンないのが身体が「反物質」で出来ているので、この人がテレザート星外の物質に触れると途方も無い破壊力が発生して自爆のようになるという設定。元々テレサが全宇宙に向かって白色彗星の危険性を知らせるところから物語が始まっている。じゃあ最初からテレサが特攻してくれれば話は早いじゃんとも思う。
ストーリーの話はこれくらいにして、子供心に特に印象に残ったのは、やはりズウォーダー大帝を始めとする白色彗星帝国の人達のキャラです。まず、「ミサイル艦隊」というのを率いるゴーランド提督。この人はスキンヘッドにアゴヒゲもキマッている今の地球ならちょいモテそうな風貌(但し肌は緑色)だが物語序盤でヤマトの波動砲により速攻戦死。ハリネズミのように大小各種のミサイルを林立させた「ミサイル戦艦」ってのもスゴイシロモノでした。次に「ハルゼー艦隊」という空母機動部隊を率いるハルゼー提督。この人は顔がせんだみつおに似ている(但し肌は緑色)ハルゼー艦隊は確か地球防衛艦隊と戦って全滅したんだったか?テレビシリーズの「宇宙戦艦ヤマト2」では地球に来襲したような記憶もある。次、ズウォーダー大帝の女秘書官みたいな役柄のサーベラーという人。この人は何故か肌は地球人と同じ肌色で、風貌も松本零士流の美形キャラだがやや意地悪そうな顔立ちで、性格もその通り。部下のミルという、これまた小賢しそうな若造と組んで、ガトランティスに居候状態になったデスラーをいびりまくるイヤな奴です。それと、サーベラーは絶対ズウォーダー大帝の愛人だと思います。それから映画序盤テレザート星で戦車部隊を指揮していたザバイバル将軍ってのもいたなあ。空間騎兵隊の隊長斉藤始と1対1で最後取っ組み合ってました。でも地球人と全く関係ない文明の異星人のハズなのに戦車はモロ戦車なんです。キャタピラがあって、砲塔があって。まあ「宇宙戦艦ヤマト」シリーズの場合これ系のツッコミはキリがないし、「それらを理解した上で」楽しむってのがオトナというものでしょうね。