ガンダム人種論(その2)

シャア・アズナブルシャルル・アズナブールという有名なシャンソン歌手が元ネタであることから推測すると『フランス系』説が出てくるのだが、ご存知のようにシャアは本名キャスバル・レム・ダイクンといい、妹のセイラはアルテイシア・ソム・ダイクン、父は宇宙世紀の偉人ジオン・ズム・ダイクンである。ダイクンという苗字からは国籍を推定し難い。大体プエルトリコ系とされているカイ・シデンは「紫電改」(旧日本海軍局地戦闘機)が元ネタだし、シャアを筆頭にこういった安直なネーミングも多々見受けられるのでガンダムの登場人物の国籍(宇宙世紀の時代だから現代の概念でいう国籍はもはや通用しないのだが)を推定するのは不毛の作業と言える。それでもあれこれ妄想するのが楽しいんだよね。ジオン・ズム・ダイクンは風貌から想像するに東欧もしくは南欧系な気がする。しかし子供のキャスバルおよびアルテイシアは明らかに西欧か北欧人のルックスであるのが矛盾点である。このミッシングリングを繋ぐ存在が母親である。安彦良和氏の「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」では、ジオン・ズム・ダイクンの妻でありキャスバルアルテイシアの母であるアストライア・トア・ダイクンが登場するのだが、キャスバルアルテイシア兄妹は、ルックス的には完全に母アストライアの血を多く受け継いでいる。それから、「キャスバル」「アルテイシア」「アストライア」という名前にしても、「ジオン」とは明らかに別系統の民族を感じさせる。勝手な推測ではやはり西欧・北欧系でしょう。さらに的を絞るとアストライア、アルテイシアという名前は何となく「オーストリア」っぽい気がするが「キャスバル」は英語圏の名前風である。但し現代の英語圏国家でキャスバルという名前はありそうもない。時代が移り変ると人名も微妙に変化するのでしょう。例えば今は女の子の名前に「何々子」って付けるケースはだいぶ減っているでしょう。自分の世代では「順子」とか「智子」などはありふれた名前だったけど、近年では「彩花」とか「陽菜」とか、新種の植物か?と思うような名前が多いよね。話が逸れたが、結局シャア(とセイラ)は何人なのか?結論は「オランダもしくはベルギー」あたりじゃないかしら?その根拠は、
1:金髪&青い目は明らかに西欧か北欧系ではあるが、北欧人のようなゴツイ体格ではない。(北欧=ヴァイキングの血統ですから。昔ケロッグのおまけで付いていたプラ製のヴァイキングの彫像もイイ体してたし)
2:西欧でもフランスはラテン民族なので金髪青目は少ないのと、名前もフランス風ではない。「キャスバル」=英国系説も捨て難いが、母と妹の名前はゲルマン的なので、中間地点のオランダ・ベルギーあたりということで落ち着くのではなかろうか。結構強引な仮説ですけど。 
(続く)