ガンダム人種論

機動戦士ガンダムのファーストシリーズがTV放映されたのが小学校2年の時(1979年)。小2の精神年齢ではやや理解不能ながらも「いままでのロボットアニメと違うハードさ」は感じながら夢中で観ていた。多分当時の愛読書である学研の図鑑あたりから仕入れた知識で、スペースコロニー計画なる近未来の宇宙開発計画を興味津々に読み耽っていて、「機動戦士ガンダム」は、まさに第一話の冒頭からそのアイランド型と呼ばれるスペースコロニーが登場し、それまでの日本サンライズ作品「ザンボット3」「ダイターン3」とは明らかに異質の、なんか「気持ちを引き締めてテレビに向かわなくてはならない」という心境で毎週見ていたなあ。
ガンダム」に関しては、ディープなファンやマニアの方々が多いだろうし、この場で「モビルスーツ開発史」やら「ミノフスキー粒子論」を語るのはおこがましい。という以前にそういうマニアックな知識をそもそも持ち合わせていないので無理である。
むしろ自分の興味をそそるのは「機動戦士ガンダム」の世界においての人種論である。当時のケイブンシャガンダム大百科」シリーズもしくは徳間書店のムック本に書かれていたと記憶しているのだが、「機動戦士ガンダム」の主要登場人物の説明書きがあって、それら人物設定の中で、どこの国がルーツなのかという記載があり、これが現在にいたるまで長年に渡って引っかかっている問題なのである。以前「宇宙戦艦ヤマト」シリーズではあまりに登場人物に日本人が多すぎるという突っ込みを書いたが、「ガンダム」の場合その辺りの配慮は周到になされているようでいろんな人種がバランス良く配役されていると思う。まず主役のアムロ・レイ。この人は日系です。当時の人物説明では「レイ=嶺」と表記してあり、またアムロの母カマリア・レイが一人暮らしている実家の地は日本の山陰地方であるという説がある。仕方の無いことだろうけどやや日系人が多い感は否めない。思いついただけでも、ミライ・ヤシマハヤト・コバヤシ、連邦のセキ技術大佐(Gパーツを持ってきた人)あとマイナーどころではホワイトベースのクルーにマサキさんという女性看護兵がいる。あと忘れちゃいけないのがホワイトベースのタムラ料理長。ジオン軍で有名な日系人といえばアサクラ大佐(ソーラ・レイの実務責任者。ミラーの上を思いっきり航行しているムサイに、出力が落ちるからどけと怒鳴りつけていたので有名)ジオンで最も著名な日系人シン・マツナガ大尉だと思うがこの人は後付け設定の人物で本編とは無関係です。でもそのくらいか。他民族ではブライト・ノア=英国系、フラウ・ボウ=ドイツ系、リュウ・ホセイが確か南米のアルゼンチンあたりだったと思う。ここから先は設定の記載が無かったので勝手な推測になるが、マチルダさんはどうだろう?マチルダ・アジャンという響きからするとフランス人か?スレッガー・ロウ中尉は典型的なアメリカ白人だね。それも西海岸方面じゃないかと推測する。マチルダの婚約者ウッディ大尉もアメリカ人ぽいけどコッチは東海岸な気がする。レビル将軍は風貌からしユダヤ人の血が入っている気がする。ジャブローでミライに余計なお節介を焼こうとしたゴップ提督は何人なのか?風貌は完全に東洋系だが?中国や韓国にゴップと発音する苗字はありそうも無い。東南アジアに存在する苗字なのだろうか?そしてミライのフィアンセであるサイド6のカムラン検察官。この人は風貌といい、苗字といいフランス系で間違いないでしょう。
ビグ・ザムのメガ粒子砲にやられたティアンム提督は見た目で判断するとアラブ人である確率が高い。ルナツーワッケイン司令は風貌的には間違いなく欧米人だが、国籍まで当てるのは難しい。そもそも「ワッケイン」という苗字が有りそうで無いのだ。「マッケイン、マケイン」ならばスコットランド系だと即わかるのだが。ガンダムの登場人物の人名にはこういう、現代と若干違うニュアンスの人名がよく登場する。例えばシャア・アズナブルだ。(続く)