ドリフ大爆笑

何故か急に「ドリフ大爆笑」の事を思い出した。我々の世代にとって「ドリフ」は絶対的神のような存在であり、時にこの世で自分の親よりも大事な人達であると、本気で思っていたガキどもも多かったであろう。伝説的番組「8時だヨ!全員集合」における数々の名フレーズは30年以上経た今でも、脳に刻みつけられている。古いところでは、荒井注の「ディス・イズ・ア・ペン」とか、加藤茶の「ちょっとだけよ」。志村けんが「ザ・ドリフターズ」の正式メンバーとして加入後のドリフ絶頂時代では、コント中に(お化けが志村けんの背後にいるという設定)観客のガキ達による「志村うしろ、うしろー!」のお節介なアドバイスとか、東村山音頭におけるJBばりのシャウト「イッチョメ、イッチョメ、ウァーオ!」とか。あと基本中の基本な名フレーズとして、いかりや長介の「オイッース!・・・声が小さい!もう一度ォ、オイーッス!!」やエンディングの加藤茶の「風呂入ったか?歯磨けよ!」(番組スポンサーがライオンだったことによる配慮的要素が感じられる発言)が挙げられるが、自分的に最も有名なフレーズは「全員集合」のほうではなく、「ドリフ大爆笑」における、いかりや長介の「ダメだこりゃ〜」である。70年代後半から「オレたちひょうきん族」が登場する80年代初期までの「ドリフ黄金時代」において、彼等の2大看板番組はTBS「8時だヨ!全員集合」とフジテレビ「ドリフ大爆笑」であった。
これを「ジェームズ・ブラウンに置き換えて」言うならば,毎週生放送で全国各地の劇場や公会堂などを舞台としていた「8時だヨ!全員集合」は年間200ステージはこなしていたというコンサートライブであり、スタジオ録りで、全盛期には月1回のペースで「火曜ワイドスペシャル」枠で放映されていた「ドリフ大爆笑」は60年代後期から70年代前期のJB全盛時代における、今の音楽業界事情で考えればありえないハイペースで量産されていたオリジナルアルバム群と言い換えることが出来るであろう。
話を戻すと、「ドリフ大爆笑」は、今思い返せば、あるいは「8時だヨ!全員集合」より好きな番組だったかもしれない。何と言っても2時間枠だから、番組の構成が「全員集合」よりゆったりと作られており、まず定番として番組冒頭で、いかりや長介が「徹子の部屋」みたいなセットの、1人掛けのソファーにどっかと腰を降ろして「えー、春になりました。春といえば何と言っても入学式です。」てな感じの時候の挨拶からコントのコーナーへ導入する流れは、程良いラウンジ感覚さえ感じさせられ、視聴者としてはじっくりと楽しめる番組でしたね。(続く)