カセットテープ

いまや「ウォークマン(テープ式)」って完全に死語ですよね。(もちろん現行の「(ネット)ウォークマン」やソニーエリクソンの「ウォークマン携帯」は別ですが)現在「MDウォークマン」も絶滅に瀕しているのではなかろうか(・・・自分持ってますけど)。要するにipodに端を発する「携帯デジタル音楽プレーヤー」が世間の常識となっている現状において、「カセットテープ」とはなんぞや?という話ですよ。でも自分の若かりし頃を思い出すとあのガチャッと出し入れしていたカセットテープこそが愛着を感じるアイテムなんですなあ。デジタル化の遅れた我が家でも、今や自宅ではメモリ内蔵のミニコンポでエアチェックした「山下達郎サンデーソングブック」を聴き、場合によってはコイツをPCに落として、MP3ファイル形式で保存して、itunesでダウンロードした「伊集院光のJUNK深夜の馬鹿力ポッドキャスト」と併せてipodnanoで通勤時に聴くという、いっぱしの先進国的音楽ライフを満喫しておる訳です。しかしその反面自分的には「ガチャッ」というテープ式のポータブルプレーヤーが現役で活躍しており、それがコレ。

購入してから15、6年になるだろうか?たださすがに今はカセットテープは使っていなくて、専らTOKYO・FM「山下達郎サンデーソングブック」及び、その後の時間帯のINTER・FMの「ソウルブレンズ」が、幸運にもリアルタイムで聴ける状況の際に駆り出されるのである(ラジオチューナー付きの為)。「SHOCK WAVE」という商品名&このルックスが示す通り、相当な防水性があり、昔は海やプールに行った際も持参したもんです。
ここまでが前置きで、本題は、「一般に音楽に関して昔はカセットテープしかポータブルな媒体が無かったから、色々とこだわっていたよね」という事が思い出されるのである。
自分が中学、高校生の頃、最も安く好きな音楽を自分の物にする方法としては、レンタルで入手するという手段があったのだが(今もある手段か)、当時「貸しレコード屋」〜「レンタルCDショップ」へ移行する時代で、レコード盤だろうがCDだろうが我々はカセットテープにダビングして、これをウォークマンで通学時や場合によっては授業中でも聴いていたわけです。この頃(1980年代後期)のウォークマン及びそれに類する同業他社の製品は日進月歩の進化を遂げていて、「オートリバース」やら「録音機能付き」やら「イコライザー付き」やら「リモコン付き」等各種機能を増設する一方、小型軽量化も進み、カセットテープのケースとほぼ同じ大きさにまで小さくなったのである。これら再生機の性能が向上していくと、メディアとしてのカセットテープにもこだわってくるようになり、今の若い人は知らないだろうけど、テープにもランクがあったんですよ。
何と言っても「メタル」が最上級で次が「クロームハイポジション)」、並が「ノーマル」と3種類のテープがあって、正直「メタル」と「ノーマル」が音質的にどんだけ違うのかよく分からなかったにもかかわらず、「よし、このアルバムはオレにとって重要なヤツだからここはいっちょメタルテープにダビングするか!」などと勝手に気合を入れて臨んでいたものである。世間一般的にも当時はカセットテープのランク分けというのは一般常識として存在していて、家庭用ステレオコンポにせよラジカセにせよウォークマンにせよテープの種類に応じたセレクトスイッチが付いていて、メタル・ハイポジ・ノーマルと使い分けるようになっていた。カセットテープそのもののデザインも進化していて、昔は例えば学校の校内放送に使うような全面インデックスのラベルで覆われたそっけないデザインしか無かったのが、いまだに記憶しているのがワム!のアルバム発売に連動して発売されたSONYのカセットテープで、初めてスケルトンデザインを取り入れた当時としては画期的にオシャレなデザインのテープが登場して以来、各社カセットテープの戦国時代に突入し、メタルテープでも量販店では1本¥300台の廉価で買えるようになったという過当競争が始まり、当時自分等は地元の電器店を自転車で巡回し「どの店が一番テープを安く買えるか?」ということを絶えずリサーチしていたもんです。
うーん、1980年代のオーディオ事情については語り足りないです。