戦国武将(大河ドラマ編)

巷では最近流行っているんですか?戦国武将。「歴女」とか実際どれだけ存在するのか信じがたい面もあるが、戦国武将ブームが本当だとするならば、その何割かを背負っているのは今年の大河ドラマ天地人」ですかね?主演の妻夫木聡よりも、幼少時代の与六(直江兼続の幼名)を演じた加藤清史郎くんのほうが注目を浴びていますが、「天地人」は大河ドラマ史上、画期的な作品になるのではないだろうか。
いくつか具体例を挙げると、まるでグーグルアースのような日本全体の俯瞰画像から(しかもわざと南北逆向きにしたりして、地球感覚をリアルに出している)、どんどん縮尺が拡大していき、越後の国での地表の合戦シーンを映し出すというこれまでの大河では無かった地球規模の映像ダイナミズムがあるかと思えば、突然分割画面になったり、合戦シーンはフルCGにより約20万人が参加した関が原の戦いを全体像で再現(過去数多く関が原は映像化されているが、戦場の全体像を描写したのは初では?)。登場人物のキャラ設定もケレン味に富んでおり、物語序盤の実質主役である上杉謙信阿部寛)は、名門上杉氏の当主でありながらも個人戦闘力抜群の「戦国BASARA」まんまな殺戮っぷりを見せたり、主役の直江兼続妻夫木聡)をはじめ、石田三成小栗旬真田幸村城田優伊達政宗松田龍平)など、若手イケメン&実力派俳優をガンガン起用したり(前作の「篤姫」でもその傾向はあった)、あとは「大河戦国モノ」で必ず注目されるのが「信長、秀吉、家康」を誰が演じるのか?という件。個人的には吉川晃司演じる織田信長は近年No1のハマリ役ではなかろうか?(ワーストは「信長 KING OF ZIPANGU」の緒形直人)まず風貌は、残されている信長の肖像画にかなり近いイメージで、年齢的にもマッチしている。過去作品では渡哲也、館ひろし=老け過ぎ。反町隆史=若過ぎ。緒形直人=見た目違い過ぎ。等々どこか納得のいかない点があったが、吉川版信長は減点対象が少ないという意味で最もバランスが取れている。ちなみに演技力では「秀吉」での渡哲也が圧倒的に素晴らしいと思います。笹野高史演じる豊臣秀吉もポイント高いと思う。秀吉といえば陽気なお調子者というイメージが強いが、晩年はかなり残酷な部分が前面に出てきて千利休や甥の秀次を自殺に追い込んだり、悪名高い朝鮮出兵を決行したりするのだが、ここら辺の秀吉ダークサイドを見事に演じきっていたと思う。ルックス的にもイイ線いってます。徳川家康松方弘樹が演じているが、これは賛否両論ではなかろうか。これまでの大河における家康の描かれ方としては、1983年の「徳川家康」に代表される「地味な性格だけれども実直な人柄」というキャラ設定が基本だったと思うのだが、今回はなにせ反徳川の直江兼続が主役の為「ずる賢い狸オヤジ」キャラに徹している。しかもベシャリで相手を騙したりすかしたり脅したり、本来の家康イメージとかけ離れたトーク回しで、「天才たけしの元気が出るテレビ」でおなじみの、「ヒーッヒッヒ」と甲高い笑い声を上げながらハンカチで額の汗を拭うという有名ポーズをどこかでやってくれるんじゃないか?と思わせる位の軽いキャラ設定なのがおかしかった。「天地人」今後の展開として是非期待したいのが、大坂夏の陣の終盤、劣勢な豊臣方の指揮官、真田幸村が起死回生の作戦で徳川家康の本陣に突撃して、あわや家康が討ち取られるんじゃないかという大ドンデン返し寸前な戦闘シーンをやって欲しい。(続く)
追記:大河ドラマで最も好きなのは戦国モノではない「新撰組!」です。これについてもいつか語りたいです。