(映画)マリー・アントワネット

nisi6hiroyuki2010-04-17

子供が生まれてから、全然映画を観なくなってしまった。映画館に行かなくなったのはもちろんのこと、レンタル屋にも滅多に行かなくなってしまった。最後に映画館に行ったのは、家族全員で観た「パコと魔法の絵本」だから、2年くらい前か?
先日、1人で留守番をする時間があり、この機会を利用して久々に近所のTSUTAYAに行って「ローレライ」と「マリー・アントワネット」を借りてきた。(全然ジャンルの違う2本だが)「ローレライ」は、こないだノベライズの「終戦のローレライ」を読了したついでに観てみようと思った次第で、あれだけの長編小説を2時間程度の映画作品にまとめてしまうということは、相当設定を変更しており、・・・「ローレライ」は今回の本筋ではないので割愛します。
マリー・アントワネット」(2006年・米)は、歴史モノ映画好きな自分としては公開当時から観たかった映画で、しかし単なる歴史モノの枠に収まらない、というか、時代設定だけは18世紀後半のヴェルサイユ宮殿に置いているが、本質は現代的な青春映画であって、よく「ガーリー・ムービー」という言い方をされるけど、この作品に正統的な歴史映画という事を求めてしまうと全然期待ハズレな内容です。「何で18世紀を扱った映画なのにBGMはゴリゴリのロックばかりなんだ!」と、もし20歳当時の、本気で歴史を愛好していた頃の自分なら目くじらを立てる処だが、現在38歳にもなると、「意外にロココとロックって合うねー!」と感動。当初から「ガーリー・ムービー」としての宣伝が強調されており、むしろコッチはその感性に期待して、観てみたいと思ったのだった。但し考証的には意外としっかりしていて、18世紀後半のパリの流行や貴族文化がきちっと描かれていたり、実際にヴェルサイユ宮殿でロケをおこなったり、ルイ16世からプレゼントされたという小トリアノン宮でのロハスな生活も描かれているし、マリー・アントワネットといえばこの人、彼女が純情を捧げたフェルセン伯爵も登場します。主演のマリー・アントワネット役の人、最初名前がわからず、「スパイダーマン」のヒロインMJの人だよなあと思っていたら確かにそうだった。名前を調べたらキルスティン・ダンストといって、アメリカ人だが、血筋はドイツ系らしい。オーストリア皇室出身のマリー・アントワネットを演じるには適役だと思った。このキルスティン・ダンスト、すごくイイねー。「スパイダーマン」の時は、何と言うか見た目は「ブスカワイイ」。髪は赤毛に染め、若干奥目がちなせいか、目つきが悪い感じで華が無い印象だったが、この作品では(多分本来の)金髪が、まだ少女の雰囲気を残すルックスとマッチして「ブスカワイイ」を脱し「カワイイ」になった。
この作品の監督はソフィア・コッポラ。言わずと知れた巨匠フランシス・F・コッポラの娘で、自分的には「ゴッドファーザーPART3」にて、アンディ・ガルシアと、台所でピザと作っているつもりがいつの間にか濃厚なラブシーンに突入してしまうという場面で強烈に印象に残る人だが、映画監督として父親譲りの才能があるらしく、日本を舞台としている事で話題になった「ロスト・イン・トランスレーション」の監督もしている。
マリー・アントワネット」は映画として全く深みがなく、というかライトな感覚を重視した青春映画として割り切っているところが逆に凄みを感じる。