自粛といえば・・・

nisi6hiroyuki2011-05-28

ようやくTV番組やCMが通常モードに戻ってきた。今はあまりTVも観ない生活だから自分的には影響なかったが、昔、23年前の昭和天皇崩御前後の自粛ムードの頃は高校生で、時期的には丁度冬休みの頃だったから退屈だった。レンタルビデオ屋に行ってもほとんど貸し出し中だし、当時どう日々を過ごしていたのか詳しくは思い出せないが、唯一記憶に残るのが、昭和天皇崩御されてから数日間学校が休みになったので、友人の家で徹夜マージャンをやったんだね(不謹慎な話だが)。で、TVは延々追悼特番を放送し続け、CMは一切ナシ。そしたら小渕官房長官が画面に現れ「平成」の色紙を出したあの記者会見をマージャンしながら見ていたという奇妙な経験をしたなあ。
当時の自粛ムードで一番有名なエピソードは日産セフィーロのCMの件。疾走するセフィーロの助手席のパワーウインドがおもむろに開いて、井上陽水が笑顔で「皆さんお元気ですかぁ」と言い放ったらパワーウインドが閉まって走り去るというシュールなCMです。
当時非常に斬新なCMという事で話題になったのだが、昭和天皇の病状が予断を許さない深刻な時期に放映されており、ニヤケ顔で「お元気ですかぁ」とは何事か!不謹慎も甚だしい!という事で急遽音声を消されて放映されたといういわくつきのCMだった。
本題はここから。何故かこの初代日産セフィーロというクルマがすごいカッコイイなあと思っていたのです。
別にカーマニアでもなかったけれど、バブル期というのは本当にクルマが時代の主役だった訳で、一般常識として各メーカーの主要車種は把握していたね。当時売れていた車種はクーペタイプの「ホンダ・プレリュード」や「日産・シルビア」といった辺りがバブリーな若者達のデートカーとして幅を利かせていた。トレンドとしては「とにかくスモールキャビンかつ車高が低く」が前提で居住性を犠牲にしてもスタイルを重視したデザインが多かった。何しろトヨタ・マークIIみたいな、「ホントはクラウンが欲しいんだけど手が届かないからコイツで妥協しておくか。」というオヤジセダンでもスモールキャビン化が進行して「ソアラを4ドアにしてみました」みたいなスタイルになったのは、居住性が重視される現在では考えられない現象だった。
そんな風潮の中、この初代セフィーロは明らかに異質なデザインで、まずキャビン部分は当時のセダンとしてはスペースが大きめに採られており、車高もマークⅡとか、同じ日産の兄弟車であるローレルより高いのでややずんぐりした印象を持つが、エンジンルームは低めに抑えられており、特にフロントマスクはトヨタのセダンより鋭角的な形状の為、ギリギリのところで時代のトレンドからも逸脱していないという絶妙なスタイリングだった。最も特徴的なのはヘッドライトが「プロジェクターランプ」の4灯式で、これがとてもカッコよい。このガラス玉みたいなプロジェクター式ライトは今では殆ど見かけなくなったけど、非常に小さなスペースに収まるヘッドライトなので、フロント部をシャープに見せる効果があり同時期の人気車種シルビアにも採用されていた。
記事を書いているうちに段々記憶が蘇ってきたけれど、バブル時代の日産は元気があったし面白いクルマが多かった。バブルオヤジのみをピンポイントでターゲットにしたシーマを開発して見事大ヒットさせたし、当時は平べったいデザインが主流なのにあえて丸っこいデザインでフルモデルチェンジしたマーチはロングセラーになった。余談だが、1999年にイタリアに新婚旅行に行った際、ルノーフィアットよりも、このマーチ、(現地名ではマイクラだったか?)のほうが市街地では多く見かけて、スモールカーのシェアを結構占めていた。あと、スカイラインGTRが復活したのは1990年頃だったのでは?(スポーツカーに興味が無いので間違っているかも)
しかしいくらカルロス・ゴーンがNISSANを盛り上げようとしても2011年の現在、クルマが時代のトレンドあることは無くなった。仕事では会社の営業車を日々運転しているが、今は軽自動車でも居住性や快適性が非常に進化していて、クルマを持つとしても軽で充分。
男子たるもの「いつかはクラウン」みたいな高級車に憧れる心境はもはや全然無い。残念ながら我が家は軽自動車すら所有できないくらい経済的には余裕は無いけれど・・・。
自分的には一番欲しいクルマはシュビムワーゲン第二次世界大戦ドイツ軍の水陸両用4輪駆動車)です。