夏休み

さて、会社員の短い夏休みです。夏休みで連想してしまったのが、「1999年の夏休み」という映画。これは1988年の日本映画で、リアルタイムで観たのではなく、確か10年ほど前にTVKで放送されたのを何となしに観始めたら意外にハマって最後まで観てしまったという感じだった。この映画に主要人物の1人として出演している(主演ではない)まだ15歳位だった深津絵里(当時水原里絵という芸名だった)の映画デビュー作。というのは後で知った情報。作品の設定は、近未来の、避暑地のような湖畔にある寄宿学校の男子生徒4人の、ひと夏の物語なんだが、異色なのは、この男子生徒役を全て十代の女優が演じているという点。男性役の為皆髪型はショートカットにしており、特に深津絵里の髪型はとても似合っていた。
88年製作で「1999年の夏休み」というタイトルとなるとまあ当然近未来の話だと思うわけだが、実際の映像的には「レトロモダン」な舞台装置で、特に小道具系、電話機とか、作中生徒が学習につかうPC(というかワープロ?)の造作が、「未来世紀ブラジル」に影響を受けたような、1930年代と現代(88年当時)が融合した感じの、今となっては「懐かしいレトロモダン」なディテールだった。
で、自分の脳内メモリで、とんでもない勘違いをしていたのが、「1999年の夏休み」に、この建物が登場していたとずっと思い込んでいたという点。

このビルは品川区東品川、普通自動車免許更新時に必ずお世話になる(つまり1度もゴールド免許になった事が無い)鮫洲運転免許センターの近くにあるオフィスビルで、「1999年の夏休み」において主人公達が寄宿学校を離れて都会の本校か何かで使われる建物で出てきたような記憶があったのだが、これが大きな勘違いだった事が確認出来た。というのも、改めて現地で確認したところ定礎が1992年とあり、この映画より後の建築であることが判ったのだった。そもそも作中そんな都会のシーンなど存在しないのだった。
となると自分の記憶に出てくるこの建物は何だったのだろうか?写真、建物中央のガラス張り部分は内部が吹き抜け構造になっており、その左右にオフィスが配置され、吹き抜けを通してこの左右オフィス部分が丸見えになっている映像を確かに観た記憶がある。しかしこれ以上調べる手がかりも無く、あるいは「未来世紀ブラジル」に出てくるオフィスとごっちゃになったイメージが脳内増幅された妄想なのかなという気もする。

余話として。このビルから3Km程南にある、平和島のほとりにある独特な外観のこのビルは、映画「マルサの女」で主役の宮本信子が勤務する国税局として登場する建物です。80年代後半から90年代前半ってこういう変な外観の、あの頃の基準では近未来的と考えられていた建物がちらほら存在しますね。「ヘンな度」が薄いけど大きな物件としては三田にあるNEC本社とか、新宿の東京都庁も同じ時代感覚があるし、その最たるものがお台場のフジテレビ本社ビルだと思いますがどうだろうか?