ビッグ・ドッグ

ニュースを扱うのは、このブログの性質上珍しいのですが、今回は気になるので取り上げます。
米軍で、ある軍用ロボットが実用化に近づいているという。名前は「アルファ・ドッグ」といい、歩兵の装備を運搬する四足歩行のロボットで、まだ試作段階らしい。

この映像は、「アルファ・ドッグ」より数ヶ月前の、「ビッグ・ドッグ」という旧タイプの実地試験映像。
最初これは獅子舞みたいに人が入っているのかと思ってしまったほど自然な動作というか、ロボットっぽくない動きで、凍結した路面を滑って転びそうになりながらも何とか踏ん張って歩き続ける姿には思わず笑ってしまった。
道路状態に関係なく移動する軍隊の輸送というのは、平地や多少の荒れた路面ならば四輪駆動車や装軌車輌等の、タフに設計された軍用車輌で事足りるのだが、例えば山岳地帯や密林地域など車輌が進入できない土地では、古来ロバ(熱帯地方では水牛?)等、動物もしくは人力で装備を運ばざるを得なかった。
今から1800年前の三国志の時代、かの諸葛孔明は、自国(蜀)から敵国(魏)へ攻め込む際、軍馬やロバも通れない国境の険峻な山岳地帯を踏破するために数々の策を講じたが、その中の一つに兵士が自らの荷物を運搬する為に、小型軽量な一輪の手押し車を発明したというエピソードがある。
第二次世界大戦のドイツ軍が使用した「ケッテンクラート」というバイクとトラクターのハーフみたいな車輌が昔から好きで、コイツでオフロードを走り回るのが夢なんだが、この「ケッテンクラート」は元々降下猟兵空挺部隊)用に開発されたものの、実際には道路らしい道路が殆ど無いロシア戦線とか、山岳部隊に重宝されていたようだ。

昔(1985年ごろ)「デルタ・フォース」という、全盛期のチャック・ノリス主演の戦闘アクション物映画があって、アラブ過激派がハイジャックして、パレスチナ辺りに強制着陸させられた旅客機から人質を救出する為に、「デルタ・フォース」という米軍特殊部隊が、現地に空輸されて活躍するという、今考えると15年くらい時代を先取りしたスゴイ映画です。この特殊部隊の指揮官がチャック・ノリスで、(マッコイ大佐という役。同時期に「地獄のヒーロー」シリーズというこれまた人気シリーズがあり、こっちはブラドッグ大佐という役。大佐を演じたらNo.1俳優です)コイツらがはるばる中東に持ち込んだ車輌が、機銃・ロケットランチャーを満載した専用バギーと専用オフロードバイクで、超カッコ良かった。
「アルファ・ドッグ」は映像から察するにやはり山岳戦で、歩兵に随伴する輸送機材として使われると思われるが、ニュースによると、数年後に海兵隊で採用する予定と報じられていたので、上陸作戦などにも使われるのだろか。
それにしてもここ数年の米軍の進化っぷりは恐ろしい。最近見たドキュメンタリー番組で、アフガニスタン無人爆撃機空爆する一部始終をやっていたんだけど、この無人爆撃機を操作する人は、中東の現地にいないんだね。サラリーマンのようにマイカーでアメリカ国内の基地に出勤して、フライトシミュレーターというには簡素な、どっちかと言うとゲーセンの戦闘機ゲームのような座席に座って、地球の裏側の無人爆撃機を操縦し、目標をモ二ターで確認しながら攻撃するという、完全にネットカフェでオンラインゲームやってるような感じの風景に度肝を抜かれた。しかもこの人だけでなく隣にも同じ事やってる人がいて、勤務時間が終わると「おつかれー」てな感じで帰宅する。子供の頃SF映画で見た未来よりももっと未来っぽいというか、このペースで行くと20年以内にモビルスーツ出来ますね。あ、でもアメリカだからモビルスーツよりアイアンマン的な方向を目指すかも知れない。