イギリス特集(その2)

自分的にはイギリスといえば「モンティ・パイソン」です!
昔、12チャンネルで放映されていた日本語吹き替え版の頃はリアルタイムで知らなくて、学生時代か就職したばかりの頃にレンタルビデオ屋で字幕版が何本が出ていたのを借りまくっていた。1993、94年頃の事だった。
結構ハマッたですね。今から40年前のコメディ番組だけれども今観てもメチャメチャ面白い。日本では無いタイプのコント番組です。例えて言えば「サラリーマンNEO」を1000倍ブラックに、100倍エログロに、かつ政治ネタ、人種差別ネタ、ホモネタ、王室ネタ階級ネタ多数の、日本じゃ絶対作れない内容を40年前に国営BBC放送がやっていたというのが衝撃的です。
YouTubeにて物色した、「モンティ・パイソン」の中でも特に好きなスケッチを羅列してみました。


これは、イギリスの田舎町マインヘッドに密かに亡命してきた(という設定)ヒトラー一味が、素性を隠して「自分等はナチじゃないですよ、イギリス人ですよ」というアピールをしつつ、市長選挙に打って出るという話。
でもベタな衣装・風貌でバレバレなんだけど、なぜか地元の人々は全く気付かず。ジョン・クリーズ扮するヒルター氏(ヒトラー)の演説時の口調や挙動が本物そっくりなのがスゴい。「私は人種差別主義者では、無い!」というフレーズやリッペントロップのショボいステマ(蓄音機による群集の歓声)とか配ってるビラの書体がナチっぽいとか、いちいち芸が細かい。ハイク、じゃなくてハイキング用に見ている地図がソ連スターリングラード付近だったり、マクゲーリング氏から電話が入ったり(ゲーリングスコットランド系に変名。これもバレバレなんだけど)「お前をランプシェードにしてやる!」とかナチスドイツネタがフルスイングてんこ盛りなのが異常。  

シリー・ウォーク「バカな歩き方省」
この動画の前半のスケッチは無関係(これもイイんだけど)。ただし「バカな歩き方省」と連続していて、ここで新聞を買った紳士が奇妙な歩き方で「バカな歩き方省」に出勤する。この人は役人で、さっそく陳情に来た男から「政府の助成金が欲しいので私のバカな歩き方を審査してください。」と言われ、「あなたの歩き方では全然ダメです。」と名人級のバカ歩きを披露しながら懇々と説明する。「我が省は非常に財政難で、ついに国防費を下回りました!」このやり取りほんとにくだらなすぎで最高!


これは割りとシンプルなスケッチだが、リストラされて次々と飛び降り自殺する人達を尻目に淡々と仕事をこなすサラリーマンが、「次に飛び降りるのは同僚の誰々だ!」と賭けを始めるという、「サラリーマンNEO」でも完全に不可能な内容。繰り返しますが、40年前のイギリス国営BBCの番組です。

最後のコレは最も好きなスケッチ。動画のタイトルは「カナダはどっちだ?」だけれども、これはシリーズ第一話のタイトルで、その中の長編スケッチ「恐怖のギャグ爆弾」です。
あるコント作家(?)が、超絶に面白いギャグを考え付いた。あまりにオカシ過ぎて笑い死んでしまった。このギャグの書付を見た母親も、捜査に訪れた警官も笑い死んだ。時に第二次世界大戦の最中であり、このギャグに着目した英国陸軍は、人体実験を行った結果、有効距離50ヤードで確実に死に至らしめる事を確認。ドイツ語に翻訳して前線に送る。
戦場では窮地に立たされたイギリス兵がギャグを読み上げるや、次々にドイツ兵が笑死し形勢逆転(イギリス兵はドイツ語を解さないので大丈夫です)。この状況に焦ったドイツ側は原因を探る為SSとゲシュタポによる捕虜への過酷な尋問でこのギャグの正体を突き止めるがマヌケな事にその瞬間に笑死。
ドイツ側もこれに対抗すべくイギリス人が笑い死ぬようなギャグを開発(開発過程でウケなかった研究員は粛清されます)し、ロンドンへプロパガンダ放送を行うもあまりにツマラな過ぎてロンドン市民ポカーンとドン引きとなり失敗。ということでこの戦争は連合国の勝利に終わったが、このギャグは核兵器ばりに危険ということで1950年に最後のコピーが葬り去られましたというお話。